露出計の説明に欠かせないのが、プログラムという露出モードです。
私達が使用しているコンパクトカメラはほとんどの機種がプログラムモードによって露出を決定しています。
ここではプログラムモードの前に使用フィルムの感度、シャッタースピード、絞りについて説明します。
フィルムを購入する際に、価格やテレビCMなどで商品を選ぶことが多いと思います。そこで、フィルムの感度(ISO)が左右するシャッタースピードやレンズの絞りの関係を覚えて下さい。

●フィルム感度 例 感度100→ISO100 感度800→ISO800



フィルの感度は通常ISOという基準で表され、一般的には100、400、800といった数値でフィルムの箱等に表示されています。
以前は100が最も多く使われておりましたが、最近では400、800が常用フィルムになりました。
感度を表す数値が低いフィルムは光を感じる度数が低く、シャッタースピードが遅くなる不利性が生じますが、フィルムの感光粒子を細かくつくることができるので、写真のプリントも粒子の細かい写真に仕上がる有利性があります。
反対に数値の高いフィルムは光を感じる度数が高く、シャッタースピードが速くなるなどの優位性がありますが、フィルムの感光粒子が多少粗めにつくられているので、写真のプリントも感度の低いフィルムに比べ、やや粒子が粗く感じられます。ただし、通常のサービス判での仕上がりの違いはほとんどなく、手ブレ防止やフラッシュ光を感じる距離が伸びる優位性等で、特にコンパクトカメラではISO800のご利用が増えております。
最近の高感度フィルムは改良が重ねられ、今後も質の良いフィルムが期待されていますので、通常の使用フィルムは400〜800が良いでしょう。

●シャッタースピード 例 125分の1秒→1/125  2分の1秒→1/2

フィルムに光を与える時間をシャッタースピードと云います。
暗い場所や被写体ではシャッターが開いている時間を遅く(長く)することにより、フィルムに適正な露光を与えることができます。
反対に明るすぎる被写体ではシャッターが開いている時間を速く(短く)することにより、適正な露光を与えます。また、シャッタースピードが遅くなると、手持ち撮影では手ブレが生じやすくなり、速ければ動きのある被写体を止めたり、手ブレを防ぐことができます。1/60秒程度が手持ちでブレない限界速度と云われております。コンパクトカメラの多くは、シャッタースピードはオートで働きます。

●レンズの絞り 単位→Fで表す 例 F5.6 F8 F11

私達人間はまぶしい場所では眼を細めたり、反対に暗い場所では眼を大きく見開き被写体を捉える調節をしています。(自動絞り→オートアイリス)
また、近眼の人は暗いところでは明るいところより更に遠くがボヤケてしまうのに、眼を細めるとやや遠くまでピントが合うようになります。このようにレンズ内の絞りはフィルムに与える光量を多くしたり、少なくしたりする露光調節以外に、ピントの合う距離(絞り効果)も左右します。
絞りはその数値が少なければ絞りが開き、光量が多くなることを表し、数値が多ければ絞り込まれ、光量が少なくなる状態を云います。F1.4〜F16の絞りが段階で付いている場合はF1.4に近ければ絞りをあけ(アケる)、F16に近ければ絞り込んだことになります。
絞りを開けるとピントの合う奥行き(被写界深度)が浅くなり、絞り込むと深度が深くなります。
使用するレンズの種類(広角レンズや望遠レンズ)によってもこの特性は異なりますが、上記の絞り効果を覚えて下さい。
絞りを開けて前後をボカす場合、また絞り込んで前後にピントを合わせる場合など、絞りは写真表現に欠かせない機能です。
ただし、コンパクトカメラのレンズはピントの合う範囲が比較的深く設計されており、絞りもオートで働きます。


次に一眼レフや中判カメラに搭載されているプログラムモード以外の露出モードを説明します。
最近のカメラはフィルムのパトローネ(フィルムが入っている金属のケース)にバーコード(DX)表示がなされており、カメラにセットすると自動で使用フィルムの感度が設定されます。どの露出モードもこのフィルム感度を基準に働くことを忘れないで下さい。
1.絞り優先モードでシャッタースピードはカメラまかせ(絞り効果を利用する)
絞りによるピントの深度変化を利用し、意図的に背景をボカしたり、風景写真など近くから遠くまでピントを合わせるモードです。ですから絞ると光量は少なくなるのでカメラの露出計はシャッタースピードを遅くして不足光量を補いますので、あまり遅いと三脚がないとブレやすくなります。絞りを開けると過度な光量にならないようにカメラの露出計はシャッタースピードを速くして露光時間を短く(速め)します。
絞りによってシャッタースピードが変化することを覚えて下さい。

2.シャッター優先モードで絞りはカメラまかせ(動きを表現する)

撮影は多くの場合、手持ちでカメラのシャッターボタンを押しますが、動きの速い被写体はなるべく速いシャッター速度を選択して、ブレを防ぎたいものです。
反対に暗い場所はシャッタースピードを遅くして、不足する光量を補いたいものです。
又、滝や川、花火等を、流動感のある写真にする場合は、三脚やレリーズを用い、遅いシャッタースピードの選定が必要です。
これがシャッター優先モードの優位性です。
感度の高いフィルムでは、絞り込んでも遅いシャッター速度設定が困難な場合があり、感度の低いフィルムでは、絞りを開けても速いシャッター速度設定が困難な場合があります。
※注 使用フィルムの選択
一眼レフカメラやレンズに組み込まれているシャッタースピードや、絞りの機能を良く把握し、その上で使用フィルムの選定を習慣にしたいものです。
例えば、感度100のフィルム使用の場合、絞り込むことでピント深度を深くして風景を撮りたい時、露出計のシャッタースピードが1/30秒を示し、ブレるのが心配な場合は、同じ絞りであっても感度が200のフィルム使用だと、1/60秒、感度400のフィルム使用だと1/125秒になります。重たい機材でなければ手ブレは防げるわけです。スポーツ写真等に感度800や1600が使用される意味もこれでおわかりのことと思います。
反対に滝、花火等を撮りたい時にフィルム感度400の場合、絞り込んでも露出計が知らせるシャッタースピードが速いので流動感の表現が困難な場合には、感度の低いフィルムを使用することによって自ずとシャッタースピードは遅くなります。
感度400で設定した絞りに対し、1/15秒の場合では感度200で1/8秒、感度100で1/4秒、感度50で1/2秒となり狙いどおりの速度設定が可能となります。
フィルムご購入の際、運動会に‥‥結婚式に‥‥ズームカメラには‥‥等とおすすめのフィルム感度が違うのは、手ブレを防いだり旅行の夜景やフラッシュ撮影での光量補助等、使用目的別に各種、販売されているからです。

3.プログラムモード(被写体の明るさに合ったシャッター速度と絞りの組み合わせがプログラムで、使用フィルムを基準に自動的に働く露出機構)

このように、フィルム感度、シャッタースピード、レンズの絞りは露出決定に絶えず関係しております。
ISO100フィルムでシャッター1/250秒設定時に適正絞りがF11の明るさの場合、シャッターを1/125秒に1段階遅くすると適正絞りは1段階絞り込んだF16にできます。
反対に1段階速いシャッターの1/500秒では1段階絞りを開けたF8となります。
このように段階ごとの相互数値を組合せ、平均的露出決定をするのがプログラムモードです。コンパクトカメラはこのシステムをシンプルに組み合わせ、使いやすくしております。
そしてそれは使用フィルム感度でも違ってくることがおわかりいただけたと思います。
シャッタースピードや絞りを使用する人の経験や勘、あるいは外部の別露出計で測定し、自分で決定することができるマニュアルモードを搭載しているカメラもありますが、以上のような仕組みをシンプルに使いやすく、素早く撮ることを目的としたのが、プログラムモードであると理解してください。
コンパクトカメラの多くは、このプログラムモードだけの搭載となっていますが、私達が気軽に旅行やスナップ撮影を楽しむことができるのもプログラム露出(AE)や、オートフォーカス(AF)の技術進歩があればこそと、その大きな役割を感じるところです。



補足事項として、露出とは?の項で補正とあるのは、上記のプログラム、絞り優先、シャッター優先の各露出モードにおいても、全ての被写体が有するそれぞれの異なる反射率の違いを、電子の眼で測定する露出計では捉えられないので、それを人間の眼に近い露出にするのが補正です。
+補正、−補正ボタンで通常は行いますが、フィルムの実感度より低め(+補正)、高めに(−補正)、予め感度入力を変更し補正する手段もあります。
一眼レフ等、多機能搭載のカメラでは、露出補正が作品づくりの重要なポイントと云えるでしょう。他に、色再現の強弱を演出するフィルターや色温度のカタログは無料で店頭にご用意してあります。お気軽にお声をかけてください。
このコラム欄、ご覧下さいましてありがとうございました。
極めて初歩的な内容ですが、あくまでも店頭ご説明の延長としてお伝えしました。
意外と忘れがちな事柄を集約しましたが、皆様に少しでもお役に立てれば幸いです。
今後とも、応援をよろしくお願いいたします!

    
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